水無月
2017年6月17日
6月陰暦名称(異称)は「水無月」で、「みなづき」と読む。10月「神無月」とともに、「無」がつくため、「○○の無い月」と思ってしまいそうだが、実際は違う。
「な」は連体助詞で、「の」と同様の意味をもつ。つまり全く逆で、「水の月」となる。陰暦の6月には水田の水を引くことからこのような名前を持つようになった。
「神無月」は「かんなづき(かむなづき)」「かみなしづき」などと読むが、やはり「神の月」とされる。中世時代に、10月は全国の神様が出雲大社に集まって会議をする月とされており、全国の神様がいなくなるから「神無月(かみなしづき)」、出雲は神が集まるから「神在月(かみありづき)」と考えられていた。いずれにしても「神の月」というわけだ。
ところで、「水無月」という名の和菓子がある。三角形で、白いういろうの上に小豆がのったものだ。京都では、一年の丁度半分が終わる6月30日に、これまでの半年の罪などを祓い、残り半年の無病息災を祈って食べられている。「夏越祓(なごしのはらえ)」「水無月の祓い」と言われる寺社で古くから行われている神事に用いられている。
諸説あり、三角形は四角形の半分、つまり一年の半分を、あるいは室町時代の氷室の氷片を意味し、小豆の赤は魔除けを意味するものとも言われている。
因みに旧暦6月1日は「氷の節句」で室町時代の幕府などが氷室から氷を出す暑気払いの日だ。このようなことを知るだけでも、昔の日本人が残してくれた言葉に感嘆し、感謝する気持ちになる。